女子スポーツに思う、マスコミの大誤算、facialism。

女子マラソンの代表が発表されましたね。
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/sports/marathon/ (ヤフートピックス/マラソン
「高橋さんはベルリンあたりで世界記録ねらってくださいね」「野口さんは調整期間万全だったんだから当然メダルだよね」「坂本さんは一発屋で終わらないようにがんばってねー」「土佐さんは名古屋で完全燃焼してないことを祈ってますー」
・・・さて。
マスコミさんは紛糾しております。麻原彰晃に判決でも出るのかよ、という大騒ぎのもとで「高橋落選」の報が飛びました。陸上評論家は「普通に考えれば野口坂本土佐だろうが、陸連は高橋を落とせないだろう」という意見が大勢(中山竹通鈴木博美とか)。その中で高橋を落とした陸連。陸連よくやったという声、何やってんだという声。いろいろ紹介はしているんだろうが、妙に今回マスコミさんから聞こえる声は高橋尚子擁護論が強いように感じる。
それはなぜか。
少し前のこと。同じように女子の競技で代表争いが注目された競技がある。今回から正式種目となる女子レスリングだ(結果はこのへんを参考に)。どうせみんな思ってるだろ、テレビ映えしない方が代表になったな、と。
そして、マラソンもそういう結果になったとみんな思ってるはずだ。女子スポーツとなると、かわいいと思う子をなぜかみんな応援してる。昨日の名古屋国際だって田中めぐみを物凄い形相で追い掛けた土佐礼子、という構図でしょ?(彼女の場合はルックスよりも国民的人気の方が大きな要因だろうが)高橋尚子みたいにテレビ映えする選手を落として、マスコミ受けとしては地味な選手が残った。大阪国際だってマスコミ受けのよかった渋井陽子が負けた。
結局マスコミさんはかわいい子がいいんだろう。マスコミさんはアテネ五輪代表争いのドキュメントに据えたのは山本姉妹であり、高橋尚子である。「吉田沙保里、虎視眈々」でもなければ「土佐礼子、復活への序章」でもなかった。密着してこなかった選手に、これからマスコミさんはどうするんだろう。300日高橋尚子に密着したのも当面はムダ、山本未憂に密着したのも当面はムダだ。美人ばかり追い続けたメンクイのマスコミさんたち。これからどこに活路を見い出すのか。感動とか、顔とか、マスコミさんのスポーツ戦略が、またくだらない方向にいかなければいいけど。

facialism-フェイシャリズム(造語)/直訳で顔面主義者。すなわち、メンクイのこと。